第2章 我が国における原子力開発利用の現状
3.原子力研究開発の推進

(2)高温工学試験研究

 日本原子力研究所において,高温ガス炉技術の基盤の確立と高度化のための試験研究及び高温工学に関する先端的基礎研究を行うことを目的に,高温工学試験研究炉(HTTR)の建設が進められている。スケジュールについては,原子力委員会及び原子力安全委員会のダブルチェックを経て,1990年11月に設置許可を得ており,1991年3月より建設に着手し,完成は1996年度の予定である。この高温工学試験研究炉は,異常時に炉心温度変化が緩慢であり,炉心の溶融が起きづらいなど固有の安全性が高く,950度の高温のガスを直接炉外に取り出せる特徴をもつ。また,高温ガス炉技術に関する各種の研究開発が行われている。さらに,高温工学試験研究炉から取り出される高温ガスの利用として,水素製造の研究開発が行われている。


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