第7章 基礎・基盤研究等
1.基礎研究の動向

(2)放射線医学総合研究所における基礎研究

 放射線医学総合研究所における基礎研究は,環境科学部門,生物医学部門及び臨床医学部門に分けられる。
 環境科学部門については,環境中に放出された放射性物質の被ばく線量評価の体系化を行うとともに,原子力施設等の周辺住民に関して,集団線量を求め,さらに環境放射線による国民線量を算定しリスク評価を行う安全解析等の調査研究を行っている。
 また,生物医学部門においては,最終的には人の放射線障害の防止に資するため,急性障害及び晩発障害についての医学・生物学的研究を推進している。施設としては,晩発障害実験棟及び内部被ぼく実験棟を初めとする動物実験施設を有している。

 さらに,臨床医学部門においては,放射線の医学利用及び放射線障害の診断治療に寄与することを目的として,サイクロトロンを利用したがん治療研究や急性障害治療の基礎研究等を進めている。また,従来の放射線より治療効果の高い重粒子線によるがん治療の実現を図るために重粒子線によるがん治療法に関する調査研究を実施している。


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