第1章 原子力発電
1,原子力発電開発の状況

 我が国の営業運転中の商業用原子力発電設備は,1990年4月に東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所5号機(電気出力110万キロワット)が,9月に同2号機(電気出力110万キロワット)が新たに運転を開始したことにより,1990年9月末現在,合計39基,発電設備容量3,148万キロワットに達し,1985年に2,000万キロワットを超えて以来,5年で3,000万キロワットの大台に乗った。また,原子力発電の発電設備容量は,1989年度末において総発電設備容量の17.4%,また,同年度の原子力発電による発電電力量は1,819億キロワット時となり,総発電電力量(電気事業用)の25.8%に達した。
 また,国際的にみても,我が国は米国,フランス,ソ連に次ぐ世界第4位の原子力発電規模を有している。
 建設中の商業用原子力発電設備は,上記の柏崎刈羽原子力発電所2号機及び5号機が,運転を開始したことにより2基減り,合計11基,発電設備容量1,089万1千キロワットとなった。
 また,建設準備中のものは,合計3基,発電設備容量353万7千キロワットである。
 これら運転中,建設中及び建設準備中のものは1990年9月末現在,合計53基,発電設備容量4,590万8千キロワットである。
 なお,研究開発段階の原子力発電設備については,動力炉・核燃料開発事業団の新型転換炉原型炉「ふげん」(電気出力16万5千キロワット)が1979年3月以来運転中であり,また,同事業団の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(電気出力28万キロワット)が1985年9月に工事計画が認可され,現在,建設中である。さらに,電源開発(株)によって新型転換炉実証炉「大間原子力発電所」(電気出力60万6千キロワット)が1999年の運転開始を目途に計画が進められている。


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