第9章 核不拡散
1.核不拡散に関する我が国をめぐる二国間の動向

(2)日中原子力協定の締結

 1983年9月に北京で開催された第3回日中閣僚会議において,両国の原子力平和利用分野における協力を促進し,発展させるべく政府間で話し合いを進めていくことで日中両国の意見が一致した。
 この結果を受けて,事務レベルの協議を通じ,日中原子力協定の締結に向けて具体的な検討が進められていたが,1985年7月の第6回協議において協定の仮署名が行われ,同年7月31日,第4回日中閣僚会議の場で署名の運びとなった。
 その後,同協定は所要の国内手続に付されていたが,我が国においては1986年5月21日,国会による承認手続が完了し,また,中国においては同年5月10日に国内手続が終了したことから,同年7月10日,北京において発効のため外交上の公文が交換され,同協定は7月10日付けで発効した。
 なお,中国をめぐる原子力分野における国際協力の動向をみると,フランスは,1983年5月にミッテラン大統領が訪中した際,仏中原子力協力覚書を交換している。米国は,1983年7月に,2年間にわたり中断されていた米中原子力協議を再開し,協議を重ねた結果,1984年4月のレーガン大統領訪中時に米中原子力協定にイニシアルを行い,1985年7月23日に署名,同年12月30日発効した。また,西独(1984年5月),英国(1985年6月)等も中国と原子力協定を締結している。
 1988年9月,中国はIAEAとの間に保障措置協定を署名した。


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