第8章 国際協力活動
1.先進国との国際協力

(2)多国間協力

① 従来からの多国間協力
 動力炉・核燃料開発事業団は,西独カールスルーエ研究所及びインターアトム社,フランス原子力庁との間で,高速増殖炉開発に関する協力を行っている。また,同事業団は西独カールスルーエ研究所,フランス原子力庁,英国原子力公社との間でフランス原子力庁カダラッシュ研究所のCABRI炉を使用して行われている「日独仏英共同カブリII計画」に参加し,各種の情報交換,専門家会合等を行っている。
 また,大型再冠水効果実証試験の一環として,日本原子力研究所は,西独研究技術省及び米国原子力規制委員会(NRC)との間で,「大型再冠水研究協力取決め」を締結しており,冷却材喪失事故(LOCA)時の非常用炉心冷却系の有効性を実証するための研究協力を行っている。

② サミット協力プロジェクト
(i)制御熱核融合専門家会合の開催等により,個々のプロジェクトを調整し,共同計画を推進してきたところ,1987年10月の会合により,しばらく中断することとした。
(ii)高速増殖炉専門家会合の開催等により,安全設計基準,コストダウン,プラント経験等の分野での協力について検討が行われている。

③ 国際熱核融合実験炉(ITER)
 1985年11月の米ソ首脳会議(ジュネーブ)における核融合研究開発推進に関する共同声明を契機として,IAEAの下で,日米,EC,ソ連の4極による国際熱核融合実験炉(ITER)の共同概念設計及び支援研究開発を1988年4月から1990年12月までの予定で実施している。


目次へ          第8章 第1節(3)へ