第2章 核燃料サイクル
1.ウラン資源

(1)天然ウランの需給バランス

 我が国の電気事業者は,カナダ,英国,オーストラリア等から主として長期契約により約18万ショート・トン,また,ニジェール及びオーストラリアの開発輸入分として約3万ショート・トン,計約21万ショート・トンの天然ウランを確保している。これにより,当面必要な天然ウランについては確保されているが,天然ウランの累積所要量は2000年において少なくとも,22万ショート・トン程度,2030年では70万ショート・トンを超えると見込まれ,1990年代後半には新たな調達が必要とされる。天然ウランの世界的な需給は,現在,緩和基調にあるが,長期的には需給が逼迫化することも考えられ,海外における調査探鉱,開発輸入等の促進を図り,なお一層の安定確保に努める必要がある。


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