第1章 原子力発電
1.原子力発電開発の状況

 我が国の営業運転中の商業用原子力発電設備は,1989年2月に中国電力(株)島根原子力発電所2号機(電気出力82万キロワット)が,また同年6月に北海道電力(株)泊発電所1号機(電気出力57万9千キロワット)がそれぞれ新たに運転を開始したことにより,1989年6月末現在,合計37基,発電設備容量2,928万キロワットに達している。また,原子力発電の発電設備容量は,1988年度末において総発電設備容量の17.4%,また,同年度の原子力発電による発電電力量は1,776億キロワット時となり,総発電電力量の26.6%に達し,石油火力の24.9%を1986年度及び1987年度に引き続き上回った。
 また,国際的にみても,我が国は米国,フランス,ソ連に次ぐ世界第4位の原子力発電規模を有している。建設中の商業用原子力発電設備は,1988年10月に中部電力(株)浜岡原子力発電所4号機(電気出力113万7千キロワット)の工事計画が,また1988年11月に北陸電力(株)志賀原子力発電所(電気出力54万キロワット),1989年6月に東北電力(株)女川原子力発電所2号機(電気出力82万5千キロワット)の工事計画が認可されたことにより,合計13基,電気出力1,309万1千キロワットとなった。
 また,建設準備中のものは,合計3基,電気出力353万7千キロワットである。
 これら運転中,建設中及び建設準備中のものは1989年6月末現在,合計53基,電気出力4,590万8千キロワットである。
 なお,研究開発段階の原子力発電設備については,動力炉・核燃料開発事業団の新型転換炉原型炉「ふげん」(電気出力16万5千キロワット)が1979年3月以来運転中であり,また,同事業団の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(電気出力28万キロワット)が1985年9月に工事計画が認可され,現在,建設中である。さらに,電源開発(株)によって新型転換炉実証炉「大間原子力発電所」(電気出力60万6千キロワット)が1998年の運転開始を目途に検討が進められている。


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