(3)核物質防護
核拡散防止上,核物質の不法な移転を防止することは重要な課題であり,IAEAにおいて検討されてきた核物質の防護に関する条約は1987年2月に発効した。同条約は,平和的目的のために使用される核物質の国際輸送中に一定の核物質防護措置がとられることを確保すること,このような措置のとられる保証のない核物質の輸出あるいは輸入を許可しないこと,核物質に係る一定の行為を犯罪とし処罰すること等を内容としている。我が国においても,我が国の原子力活動に対する国際的信頼を一層高めるとともに,原子力先進国としての責務を果たすためにも,国内の核物質防護体制の強化を図る必要があることから,「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の一部改正等を行い国内体制を整備した上,1988年11月に,同条約に加入したところである。
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