第9章 核不拡散

 昭和49年のインドの核実験により,世界的に核拡散への懸念が強まり,米国カーター前政権の原子力政策,カナダ,オーストラリアニ大ウラン資源国のウラン輸出政策などで核拡散防止の動きが強化された。
 このような情勢の中で,カーター前大統領の呼びかけに端を発し,昭和52年10月から2年余に亘って開催された国際核燃料サイクル評価(INFCE)においては,エネルギー供給及び平和目的の原子力開発を阻害することなく核拡散の危険性を最少化する効果的な措置をとることは可能であり,また,必要であるとし「原子力平和利用と核不拡散とは両立しうる」との結論が得られた。
 この結論を受け,現在,原子力平和利用と核不拡散に係る国際秩序を確立するため二国間及び多国間の協議の場において,種々の検討が進められている。


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