（１）実験炉の運転

　実験炉「常陽」は,昭和52年4月の初臨界以来順調な運転を続け,原型炉等の開発に必要な技術データや運転経験を着実に蓄積してきた。
　昭和55年1月から昭和56年12月まで増殖炉心(熱出力7万5千キロワット)での運転が行われた。引き続いて,照射炉心(熱出力10万キロワット)への改造が行われ,現在,順調に運転が行われている。また,昭和59年9月には,「常陽」の使用済燃料から回収されたプルトニウムが再び「常陽」に装荷され,初めて高速増殖炉でのリサイクル利用がなされるとともに,昭和61年10月には,高速増殖炉固有の安全性を確認するための出力100メガワット時からの自然循環試験が行われた。
　また,初臨界以来,これまでに約120体分の燃料集合体等の照射試験を終了しており,さらに昭和63年9月からは,日仏交換照射計画に基づき,仏製被覆管を用いた燃料の照射試験を開始した。

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