第3章 安全の確保及び環境保全
1.原子炉施設等の安全確保

(3)放射性同位元素等の取扱いに係る安全確保

① 許可及び届出並びに安全管理
 放射性同位元素等の取扱いに伴う安全性の確保については,「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」(放射線障害防止法)等に基づき許認可等の厳正な審査,立入検査,監督指導等所要の規制が行われている。
 なお,昭和62年度末の放射性同位元素等の使用事業所数は4,685事業所,販売事業所数は203事業所,廃棄事業所数は12事業所となっており,使用,販売,廃棄事業所の総計は4,900事業所となっている。
 また,昭和62年度には,日本医科大学付属病院において治療用として使用されていた密封線源の紛失事故があり,立入検査等所要の措置を講じた。
(なお,外国においては,ブラジルの放射線治療病院跡地に放置されていた放射線治療装置(137cs約1,350Ci)が盗取され,それにより多数の者が被ばくし,4名が死亡するという事故があった。)

② 輸送の安全確保
 放射性同位元素等の輸送は,陸上輸送については放射線障害防止法,海上輸送については船舶安全法,及び航空輸送については航空法に基づき規制が行われているが,昭和55年の放射線障害防止法の改正により,陸上における一定レベル以上のものの運搬について科学技術庁及び運輸省による確認制度並びに都道府県公安委員会への届出制度が導入されている。

③ 廃棄物処理処分
 放射性同位元素取扱事業所で発生する極低レベルの液体状及び気体状の放射性廃棄物については,必要に応じ適切な処理を施し,法令に定められた基準値を十分に下回ることを確認したのち,環境中に放出している。
 また,液体状及び固体状の放射線廃棄物のうち,各事業所で処理処分することが困難なものについては,一時,各事業所の保管廃棄設備に保管された後,廃棄業者である(社)本アイソトープ協会に引き渡されている。


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