第8章 国際協力活動
2.開発途上国との国際協力

(1)lAEA/RCA

 我が国は,昭和53年8月,「原子力科学技術に関する研究,開発及び訓練のための地域協力協定(RCA)」に加盟した。同協定は,アジア・太平洋地域の国際原子力機関(IAEA)加盟国間の原子力科学技術,特に放射線・アイソトープ(RI)の利用に関する研究開発及び訓練の推進・協力を目的とするものであり,日本を含むアジア・太平洋地域の国が加盟している。
 我が国は,これまで,このRCA計画に,資金・技術両面にわたり域内の原子力先進国として積極的に協力を行ってきており,現在,特に,工業利用計画,医学・生物学利用計画(いずれも放射線・ RIの利用分野)に関し,原子力先進国として中心的な立場で,各種のワークショップ,セミナー,研修生の受け入れ,専門家派遣等を通じた協力を行っている。昭和61年10月には,第15回RCA総会が,オーストリアのウィーンで開催され,放射線・ RIの工業利用プロジェクト及び医学・生物学利用プロジェクト等について議論が行われ,我が国からも政府関係者が参加した。
 また,同総会において,昭和62年6月に期限が到来するRCA協定(第2次延長)に関し,協定発効以来の協力活動の経験を踏まえ,共同研究等の推進,調整をより効果的に行う枠組を盛り込んだ新協定に切り換えることが合意された。これを受けてIAEAを中心に案文の策定作業が行われ,62年2月関係国間で協定案文が合意された。
 日本国政府は昭和62年6月9日同協定の受諾をIAEAに通告した。同協定は旧協定の期限である昭和62年6月12日に発効した。


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