第2章 核燃料サイクル
(参考)諸外国の動向

(2)再処理

 イ)米国
 米国の再処理工場については,モーリスの工場が昭和49年に,ウェストバレーの工場が昭和51年に運転を断念し,またバーンウェルの工場が昭和58年に建設計画を断念した。
 ロ)フランス
 フランスの再処理工場は,マルクールとラ・アーグの2ケ所にある。
 マルクールでは,昭和33年以来天然ウラン1,000トンU/年の処理規模のUP-1工場が運転中である。
 ラ・アーグでは,昭和42年から天然ウラン800トンU/年の処理規模のUP-2工場が運転中である。同工場は,昭和51年に軽水炉燃料処理のための前処理工程等(処理規模軽水炉燃料400トンU/年)を増設し,以来ガス炉燃料及び軽水炉燃料を再処理しており,昭和62年末までに累計約6,500トンの使用済燃料を処理している。なお,同工場では,本年2月にガス炉燃料の再処理を終了しており,現在は,軽水炉燃料専用の再処理工場として稼動している。
 さらに,現在軽水炉燃料の再処理規模を拡大するため,昭和67年の運転開始を目指し,新たな前処理工程等の建設が行われており,完成すると処理規模は軽水炉燃料800トンU/年に増強される予定である。
 また,外国からの委託再処理のためUP-3工場(処理規模 軽水炉燃料800トンU/年)を昭和64年の運転開始を目指し,ラ・アーグに建設中である。
 ハ)英国
 英国の再処理工場は,英国核燃料会社(BNFL)が所管し,セラフィールドに天然ウラン燃料を再処理するため処理規模2,000トンU/年の工場が運転中である。また,セラフィールドにおいて外国から委託再処理のため昭和67年頃の運転開始を目指し,THORPプラント(処理規模 軽水炉燃料1,200トンU/年)の建設を進めている。
 ニ)西独
 西独では,主要電力会社12社が設立したドイツ核燃料再処理会社(D WK)が原子力発電所から発生する使用済燃料の再処理を実施することとなっている。
 DWK社は,カールスルーエに再処理用実験プラントであるWAK(処理規模 軽水炉燃料35トンU/年)の運転経験を有し,さらにW AKの運転経験を基に,バイエルン州バッカスドルフにおいて昭和60年代後半の運転開始を目途に350〜500トンU/年規模の再処理工場を建設中である。


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