第1章 原子力発電
1.原子力発電開発の状況

 我が国の営業運転中の商業用原子力発電設備は,昭和62年2月に日本原子力発電(株)敦賀発電所2号機(電気出力116万キロワット),同年8月に東京電力(株)福島第二原子力発電所4号機(電気出力110万キロワット),及び中部電力(株)浜岡原子力発電所3号機(電気出力110万キロワット)がそれぞれ新たに運転を開始したことにより,昭和62年10月末現在,合計35基,発電設備容量2,788万1千キロワットに達した。また,原子力発電の発電設備容量は,昭和61年度末において総発電設備容量の16.2%,また,同年度の原子力発電による発電電力量は1,673億キロワット時となり,総発電電力量の27.8%に達し,石油火力の23.3%を昨年に引き続き上回った。
 また,国際的にみても,我が国は米国,フランス,ソ連に次ぐ世界第4位の原子力発電規模を有している。
 建設中の商業用原子力発電設備は,新たに昭和62年3月に関西電力(株)大飯発電所3号機(電気出力118万キロワット),及び同発電所4号機(電気出力118万キ戸ワット),同年6月に東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所3号機(電気出力110万キロワット),及び同原子力発電所4号機(電気出力110万キロワット)の工事計画が認可されたことにより,合計12基,電気出力1,198万8千キロワットとなった。
 また,建設準備中のものは,合計4基,電気出力332万7千キロワットである。
 これら運転中,建設中及び建設準備中のものは昭和62年10月末現在,合計51基,電気出力4,319万6千キロワットである。
 なお,研究開発段階の原子力発電設備については,動力炉・核燃料開発事業団の新型転換炉原型炉「ふげん」(電気出力16万5千キロワット)が昭和54年3月以来運転中であり,また,同事業団の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(電気出力28万キロワット)が昭和60年9月に工事計画が認可され,現在,建設中である。さらに,電源開発(株)によって新型転換炉実証炉,「大間原子力発電所」(電気出力60万6千キロワット)が昭和71年度運転開始を目途に検討が進められている。


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