第2章 原子力研究開発の新たな方向 ―創造的科学技術の育成
1.原子力研究開発の今後の方向

(3)国際的貢献

 我が国においては,これまで原子力研究開発を進めるに当たり,自国のエネルギー供給の安定化を図るという国内ニーズへの対応が主要な課題となっていた。しかしながら,原子力技術は,人類の共通課題であるエネルギー問題の解決に貢献するものであることから,今後は,我が国としても,国際社会に貢献していくため,これまでの蓄積を基礎として人類共通の知的財産としての新しい原子力技術を生み出していくことが必要となっている。
 これらの研究開発を巡る新たな課題に対処していくため,新長期計画においては,原子力における創造的,革新的領域を重視し,次代の創造的な科学技術の育成を目指すこととした。
 この基本的考え方に基づき,基礎研究の充実,核融合等の先導的プロジェクトの推進に加えて,原子力分野の共通的な課題を重視し,これを新たに基盤技術として重点的に推進することとした。


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