第2章 原子力研究開発の新たな方向 ―創造的科学技術の育成
1.原子力研究開発の今後の方向

(2)科学技術の進展への貢献

 原子力技術は,物理学,化学,電気工学,機械工学,材料工学,情報工学,生物学等極めて広範な科学領域に立脚する技術であるばかりでなく,極限状態に係る技術等種々の先端技術を総合化するシステム技術としての特長を有している。このように幅広く,かつ高度な技術や知識を集大成する原子力技術の向上を目指す研究開発の推進は,それを構成する広範な科学技術の水準向上の牽引力となるものである。
 近時,原子力技術の向上を図る上で,例えば材料技術,人工知能技術等の原子力の各分野に共通する技術の進歩が果たす役割が増大してきている。
 このような状況を踏まえ,原子力研究開発を進めるに当たっては,これまでに蓄積された成果や人材,施設等の研究開発基盤を活用しつつ,他の科学技術分野との連携,交流を深めることにより,科学技術全般の進展の牽引車としての役割を十分に発揮させていくことが求められている。


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