第5章 核融合,原子力船及び高温ガス炉の研究開発
(参考)諸外国の動向

(3)高温ガス炉

 現在,西独及び米国が高温ガス炉の開発に積極的に取り組んでいる。
 西独は,実験炉「AVR」の経験を踏まえて,高温ガス炉による発電と核熱のプロセス利用を目標として,研究開発を進めている。発電については,蒸気タービン発電用原型炉「THTR-300」(電気出力30万キロワット)が昭和61年4月に80%出力運転を達成した。また,核熱のプロセス利用については,石炭と褐炭のガス化を図るPNP計画の研究開発がユーリッヒ原子力研究所を中心に実施されている。
 米国では,当初GAT社が中心となり,蒸気タービン発電用高温ガス炉の開発を進め,実験炉「ピーチ・ボトム炉」,原型炉「フォート・セント・ブレイン炉」の建設・運転を行ってきたが,現在エネルギー省(DOE)において次期計画の検討が進められている。
 また,中国においては,重質油の改質・回収用の熱源とするため高温ガス炉の研究開発が清華大学核能技術研究所を中心に進められている。


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