第4章 新型動力炉の開発及びプルトニウム利用
1.高速増殖炉

(3)実証炉の開発

 原型炉に続く実証炉の開発については,動力炉・核燃料開発事業団において昭和50年より,また,電気事業者において昭和53年より概念設計が実施されてきた他,(財)電力中央研究所においても概念の確立に必要な研究が進められている。また,昭和58年5月に,原子力委員会に高速増殖炉開発懇談会が設けられ,及び今後のスケジュール実証炉の研究開発及び設計の進め方,国際協力のあり方等について,調査・審議が進められた。その結果,昭和59年10月にはその中間取りまとめが行われ,実証炉の開発は,当面官民の協力のもとに動力炉・核燃料開発事業団と電気事業者が円滑かつ密接な調整・連携のもとに協力し,開発を進めることとなった。
 また,電気事業者は,昭和60年12月,実証炉に関する業務を日本原子力発電(株)に移管し,実証炉に対する取組みの充実を図ることとした。さらに,昭和61年5月,原子力委員会は,高速増殖炉開発の長期的な進め方等を検討するため,高速増殖炉開発懇談会を廃止し,高速増殖炉開発計画専門部会を設置した。

 さらに,電気事業者は,実証炉の建設・運転主体を日本原子力発電(株)とし,同社を中心に実証炉関係の研究開発,実証炉の基本仕様の選定等を行うこととしている。

 また,我が国としての高速増殖炉開発を一本化して推進するため,動力炉・核燃料開発事業団,日本原子力発電(株),日本原子力研究所,(財)電力中央研究所の四者は,昭和61年7月,高速増殖炉研究開発運営委員会を発足させ,実証炉以降の諸課題を四者で協議・調整し効率的に分担して進めることとしている。


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