第3章 安全の確保,安全の実証及び環境保全
5.環境放射能調査

(3)核爆発実験等に伴う放射性降下物の放射能調査

 核爆発実験に伴う放射性降下物の放射能調査及び放射能対策に関する研究は,放射能対策本部の方針等に基づき,科学技術庁を中心として,関係各省庁,32都道府県等の協力の下に実施されている。
 核爆発実験に伴う放射性降下物の放射能調査については,平常時における定期的な調査及び核爆発実験時における調査が実施されている。
 また,放射能対策に関する研究は,放射線医学総合研究所をはじめ,国立試験研究機関等において,環境,食品,人体における放射性核種の挙動,汚染対策について行われている。
 なお,昭和61年4月のソ連チェルノブイル原子力発電所事故に係る放射能対策については,事故発生の報道の後,直ちに32都道府県等における放射線監視による観測の強化を図り,さらに,5月4日放射能対策本部の本部会合を開催し,放射能調査体制の強化及び当面の注意事項を決定した。
 その後,我が国における放射能レベルが漸減し,十分低い状態となったため,6月6日,再度本部会合を開催し,我が国で観測された放射能レベルは国民の健康に対して影響を及ぼすものではないこと,放射能調査体制の平常時体制への移行,長期的観点からの環境放射能の調査研究,輸入食料品対策の継続実施等を決定した。このように,本事故に関しては放射性降下物による環境放射能の監視体制が有効に機能し,国民の放射能に対する不安解消に資することができた。


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