第1章 原子力発電
1.原子力発電開発の状況

我が国の営業運転中の商業用原子力発電設備は,昭和60年6月に関西電力(株)高浜発電所4号機(電気出力87万キロワット),及び東京電力(株)福島第二原子力発電所3号機(電気出力110万キロワット),同年9月に東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所1号機(電気出力110万キロワット),同年11月に九州電力(株)川内原子力発電所2号機(電気出力89万キロワット)がそれぞれ新たに運転を開始したことにより,昭和61年8月末現在,合計32基,発電設備容量2,452万1千キロワットに達した。また,原子力発電の発電設備容量は,昭和60年度末において総発電設備容量の15.9%,また,同年度の原子力発電による発電電力量は1,590億キロワット時となり,総発電電力量の26.3%に達し,石油火力の25.2%を初めて上回った。
 また,国際的にみても,我が国は米国,フランス,ソ連に次ぐ世界第4位の原子力発電規模を有している。
 建設中の商業用原子力発電設備は,新たに昭和61年8月に四国電力(株)伊方3号機(電気出力89万キロワット)の工事計画が認可されたことにより,合計11基,電気出力1,078万8千キロワットとなった。
 また,建設準備中のものは,合計5基,電気出力538万5千キロワットである。
 これら運転中,建設中及び建設準備中のものは昭和61年9月末現在,合計48基,電気出力4,069万4千キロワットである。
 なお,研究開発段階の原子力発電設備については,動力炉・核燃料開発事業団の新型転換炉原型炉「ふげん」(電気出力16万5千キロワット)が昭和54年3月以来運転中であり,また,同事業団の高速増殖原型炉「もんじゅ」(電気出力28万キロワット)が昭和60年9月に工事計画が認可され,建設中である。
 さらに,電源開発(株)によって新型転換炉実証炉,大間原子力発電所(電気出力60万6千キロワット)が昭和71年度運開を目途に検討が進められている。


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