第4章 新型動力炉の開発及びプルトニウム利用
3.プルトニウム燃料の加工と高速炉燃料の再処理

(3)高速炉燃料再処理技術開発

 我が国における高速炉燃料の再処理技術開発は,動力炉・核燃料開発事業団において実施されてきている。現在,主にウランまたは放射性同位元素を用いた再処理工程・機器の実規模モックアップによる開発試験が進められている。また,高レベル放射性物質研究施設(CPF)において,高速実験炉「常陽」の照射済燃料を用いた実験室規模の再処理の試験が現在までに7キャンペーン行われており,ここで回収されたプルトニウムが,昭和59年9月,「常陽」で初めてリサイクル利用された。
 また,原子力委員会においては,今後の我が国の高速炉燃料再処理技術に関する開発の進め方について検討を行っており,高速増殖炉開発懇談会高速炉燃料再処理小委員会は,昭和59年2月,高速増殖炉燃料再処理については,国際協力の活用を図りつつ自主技術による開発を進めることとし,当面の再処理試験施設については,再処理能力120kg/日の規模で,昭和70年頃の運転開始を目途とすることが最適であるとの結論を出した。
 現在,動力炉・核燃料開発事業団によりこの試験施設の概念設計が終了し,昭和60年度に基本設計に着手することとしている。


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