第4章 新型動力炉の開発及びプルトニウム利用

1.高速増殖炉

 高速増殖炉は,発電しながら消費した以上の核燃料を生成する画期的なものであり,ウラン資源を最大限に利用し 得るものであるので,核燃料の資源問題を基本的に解決でき,将来の原子力発電の主流となるものと考えられてい る。
 我が国においては,動力炉・核燃料開発事業団が中心となって2010年頃の高速増殖炉の実用化を目指し,研究開発を行っている。
 実験炉「常陽」については,その建設・運転を通じ技術的経験を蓄積してきたところであり,昭和58年8月以降は燃料・材料の照射用施設として利用されている。
 また,実験炉に続く原型炉「もんじゅ」(電気出力28万キロワット)については,昭和58年5月に原子炉の設置が許可され,現在建設工事が進められている。さらに,実証炉については,原子力委員会の高速増殖炉開発懇談会において検討が進められており,昭和59年10月に開発体制,開発スケジュールについての当面の進め方について中間報告がなされている。


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