第1章 原子力発電
3.原子力発電所の立地関連状況

(1)原子力発電に関する国民の意識

 科学技術庁は,原子力開発利用に関して,広く一般国民から率直な意見等を聴取し,原子力行政に反映させることを目的として,全国各地の約500名に原子力モニターを委嘱し,随時,意見等の報告を受けるとともに,年1回,アンケート調査を行っている。
 昭和60年6月に行った原子力モニターに対するアンケート調査によると次のような結果が出ている。(アンケート結果の詳細は資料編に掲載)原子力発電所の建設については,「安全性を十分確認しながら慎重に建設すべきである」としている人が半数を越え,これらを含め原子力発電の建設の必要性を認めるものは9割を越えている。
 一方,原子力発電所の立地が難航している理由として,75%の人が「安全性に不安があるから」としており,次いで「放射性廃棄物の処理処分に不安があるから」とする意見が多い。
 また,立地を推進していくのに有効な方策としては,約半数の人が「安全性及び安全対策,防災対策等について地元で一層ていねいに説明する」こと及び「原子力発電所の安全運転の実績をさらに積み上げる」ことを挙げている。


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