第2章 我が国経済社会に根づく原子力
(3)原子力産業の発展

ハ)第II期(昭和41年〜昭和45年原子力市場の成長期)

 この時期は原子力発電所の相次ぐ着工を迎え,市場の中心は第I期の研究炉市場から,発電炉市場へと大きく変貌した。昭和41年に運転開始した日本原子力発電(株)東海発電所に相前後して,同年度には敦賀1号が着工する等,第II期の5年の間に合計II基が着工されるとともに,運転開始も4基を数えるなど一挙に発電炉プームが到来した。この原子力市場の景況を示すものとして,この5年間で原子力関係受注は9倍に伸びている。ただし,原子炉機器メーカーは,機材の国産化に鋭意努めてはいたが,この時期着工した11基のうち5基の主契約者は海外メーカーであり,まだ,かなりの発電炉機材が海外メーカーから納入されていた。
 一方,燃料の成型加工分野では,原子炉機器メーカー系列において海外メーカーからの技術導入をベースに国内での事業化が進められ,昭和43年燃料成型加工事業2社が開始され(後に独立系メーカーが昭和45年に参入)たのを始めとして,軽水炉導入が進む中で,原子炉機器の国産化とともに,燃料の成型加工の国産化も進展していった。


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