各論
第3章 核燃料サイクル

3 核燃料再転換・成型加工

(1)軽水炉用核燃料再転換・成型加工
 軽水炉用の核燃料として使用できる形にするためには,濃縮されたウラン(UF6)を粉末(UO2)にする「再転換」と,これをペレット状に加工し,被覆管の中に収納して燃料集合体とする「成型」の工程を経る。

 「再転換」加工のうち,PWR燃料用のウランについては,全て国内で行われている。また,BWR燃料用のものについては,一部を海外に委託しているが,将来は全てを国内で行うべく,逐次,能力の増強を計画している。
 「成型」加工では,PWR用,BWR用ともに全量が国内で加工されているが,燃料需要の増大が見込まれるため,増強計画が進められている。なお「成型」加工用材料のジルカロイ被覆管の製造については,ほぼ国産化が達成されている。

(2)研究炉用核燃料成型加工
 研究炉用の高濃縮度ウラン燃料は,その大部分が国内で成型加工されてきた。しかし,昭和52年に米国が研究炉に高濃縮ウラン(濃縮度20%以上)の利用を原則として認めない方針を出したことから,高濃縮ウランを使用している研究炉について,低濃縮度(20%未満)燃料に移行するため,中間段階の濃縮度(45%)燃料及び低濃縮度(20%未満)燃料を使用するための技術開発を進めているところである。


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