各論
第2章 原子力発電

1 原子力発電開発の状況

 我が国の営業運転中の商業用原子力発電設備は,昭和59年2月に東京電力(株)福島第二原子力発電所2号機(電気出力110万キロワット),同年6月に東北電力(株)女川原子力発電所(電気出力52万4千キロワット),同年7月に九州電力(株)川内原子力発電所1号機(電気出力89万キロワット)がそれぞれ新たに運転を開始したことにより,合計27基,総電気出力1,969万1千キロワットに達した。また,昭和58年度末における総発電設備容量の12.7%を占めるに至っている。
 電気事業者の発電実績では,昭和58年度の原子力発電による発電電力量は,昭和57年度より約11%増加し1,131億キロワット時となり,総発電電力量の20.4%に達し,石油代替電源の中で最も大きな割合を占めている。また,昭和58年度における我が国の一次エネルギー供給に占める原子力の割合は7.2%である。
 国際的にみても,我が国は,米国,フランス,ソ連に次ぐ世界第4位の原子力発電規模を有する国となっている。
 建設中の商業用原子力発電設備は,新たに昭和59年2月に中国電力(株)島根原子力発電所2号機(電気出力82万キロワット),同年8月に北海道電力(株)泊発電所1号機及び2号機(電気出力57万9千キロワット)の工事計画が認可されたことにより,合計13基,総電気出力1,236万8千キロワットとなった。
 建設準備中の商業用原子力発電設備は,合計4基,総電気出力407万5千キロワットである。このうち昭和59年5月に四国電力(株)伊方発電所3号機(電気出力89万キロワット)の原子炉設置許可申請が新たになされた。
 これら運転中,建設中及び建設準備中のものは,昭和59年8月末現在,合計44基,総電気出力3,613万4千キロワットとなっている。
 なお,研究開発段階の原子力発電所については,動力炉・核燃料開発事業団の新型転換炉原型炉「ふげん」(電気出力16万5千キロワット)が,昭和54年3月以来運転中であり,また,同事業団の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(電気出力28万キロワット)が,昭和58年5月に設置許可がなされ,現在,建設準備中である。


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