第1章 原子力開発利用の動向
2 核燃料サイクル確立に向けての進展

(3)核燃料サイクル施設の立地推進

 昭和58年11月の動力炉・核燃料開発事業団によるウラン濃縮原型プラントの岡山県人形峠への立地の決定,昭和59年4月の電気事業連合会によるウラン濃縮施設,再処理施設及び低レベル放射性廃棄物貯蔵施設の青森県に対する包括的な立地協力要請,同年7月の青森県及び同県六ヶ所村への立地の申入れ等,近時,核燃料サイクル施設の立地に係る具体的な動きが活発化している。これらの動きは事業者による立地推進努力の現れとして高く評価でき,国としても地元の理解と協力を得つつ支援していくこととしている。
 しかしながら,核燃料サイクル施設の立地は原子力発電所と異なり既存の立地例が少ないことから,立地に対する理解を得るためには原子力発電所以上に困難があることも考えられ,立地地域の合意形成が円滑に行われるよう十分な配慮が必要である。このため,,国民全体及び立地地域住民を対象とした官民一体となった積極的な広報活動の実施,地域振興施策の推進,立地に際しての各種手続き等を,円滑に履行していくための地方公共団体も含めた関係行政機関の間の連携と協力体制の整備等を進めていくことが肝要である。


目次へ          第1章 第3節(1)へ