第11章 国際協力活動
2 開発途上国との国際協力

(1)IAEA/RCA

 我が国は,昭和53年8月,「原子力科学技術に関する研究,開発及び訓練のための地域協力協定(RCA)」に加盟した。同協定は,アジア・太平洋地域の国際原子力機関(IAEA)加盟国間の原子力科学技術,特に放射線・アイソトープの利用に関する研究開発及び訓練の推進・協力を目的とするものであり,日本を含む太平洋及び極東地域の13ヵ国が加盟している。
 我が国は,現在,このRCA計画に,資金・技術両面にわたり域内の原子力先進国として積極的に協力を行っており,特に,食品照射プロジェクト,工業利用プロジェクト,医学・生物学利用プロジェクト(いずれも放射線・アイソトープの利用分野)に関しては,原子力先進国として中心的な立場で,各種のワークショップ,セミナー,研修生の受け入れ,専門家派遣等を通じた協力を行っている。
 昭和58年5月には,第5回RCA政府専門家会合が,バングラデシュのダッカで開催され,放射線・アイソトープの医学・生物学利用を中心に議論が行われ,我が国からも政府関係者及び専門家が参加した。

 また,我が国は,昭和58年8月から9月にかけて,東京においてRCA加盟国6ヵ国から12名の専門家を招き,第3回の「放射線とアイソトープの医学・生物学利用に関するワークショップ」(環境放射能と関連課題に関するスタディーミーティング)を国際協力事業団の協力を得て,放射線医学総合研究所を実施機関として実施した。
 国連開発計画(UNDP)の資金協力を得て実施されている放射線・アイソトープの工業利用プロジェクトはRCA計画の中で最大のものであり,昭和57年4月から正式に開始された。このため,本プロジェクト管理のためのオフィスが,我が国政府及び民間の協力を得て昭和57年6月東京に設置され,その後,昭和58年6月,インドネシアのジャカルタに移された。
 我が国のRCA協力活動を前頁の表に示す。


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