第9章 原子力産業
3 RI・放射線機器産業

 RI・放射線機器産業とは,RI及びRI照射装置,RI装備機器,粒子加速装置,非破壊検査装置,医用放射線機器等の放射線機器を製造する産業である。
 放射線利用については,既に第7章で概説したように,農林水産業における食品照射,害虫防除,品種改良,工業における放射線照射,非破壊検査,医療における診断・治療のように広範な分野で利用が進められており,特に近年は,その利用形態も多様化,高度化してきている。
 放射線障害防止法に定める放射線機器の利用台数については,総数として少しずつ増加しており,なかでもRI装備機器が約8割と他の機器に比べて数量的には圧倒的に多いのが特徴となっている。我が国において,これらの放射線機器の生産高は,昭和56年において約300億円である。この他,医用のエックス線診断装置等エックス線関連装置の生産が約1,000億円である。
 放射線利用の進展に伴い,放射線機器の需要は増大しており,また,原子力発電における安全確保のための放射線計測器もますます重要なものとなっている。このような広範な種類の要請に的確にこたえていくことがRI・放射線機器産業にとって必要なものとなっている。


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