第4章 安全の確保,安全の実証及び環境保全
2 原子力の安全研究

(1)原子力施設等の安全研究

 原子力施設等の安全研究には,軽水炉施設,核燃料施設等の安全研究及び新型炉等の開発に伴う安全研究がある。
 軽水炉,核燃料施設等の安全研究については,原子力安全委員会原子力施設等安全研究専門部会が国の安全研究実施分担を検討し,昭和55年5月,昭和56年度から昭和60年度までの安全研究年次計画をまとめており,同計画に沿って行われている。なお,同年次計画は,昭和58年7月,3回目の見直しが行われ,「臨界安全性日米共同研究」が追加された。
 同計画では,軽水炉施設については,燃料の安全性,冷却材喪失事故(LOCA)及び構造安全性に関し,また,原子力施設については,放射性物質放出低減化,確率論的安全評価等及び耐震安全性に関する安全研究をそれぞれ行うこととし,その他核燃料施設,核燃料輸送容器の分野も含め,合計8分野にわたる安全研究課題について,その内容,進め方を述べている。現在は,上記の安全研究年次計画に基づいて,日本原子力研究所及び動力炉・核燃料開発事業団を中心として,国立試験研究機関等において研究が実施され,研究成果は安全審査等の基礎データとして活用が図られている。
 また,新型転換炉及び高速増殖炉に関する安全研究については,動力炉・核燃料開発事業団において,開発の一環として実施されている。
 さらに,軽水炉の工学的安全研究については,国際協力を積極的に進めており,我が国は,ハルデン計画,LOFT計画,PBF計画等に参加している。


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