第3章 核燃料サイクル
2 ウラン濃縮

(2)ウラン濃縮技術の研究開発

 我が国においては,自主技術によるウラン濃縮工場を稼働させるべく,昭和48年度から国のプロジェクトとして,動力炉・核燃料開発事業団を中心に遠心分離法によるウラン濃縮技術の開発を推進してきている。
 同事業団は,岡山県人形峠において,昭和54年9月以来パイロットプラントの一部運転を続けてきたが,昭和57年3月末からは,遠心分離機合計約7,000台による全面運転を開始している。昭和57年度末までの濃縮ウラン製造量は約17トン・ウランであり,その一部は初めて新型転換炉「ふげん」に使用され,ウラン濃縮技術が実証されつつある。
 さらに,同事業団は,民間の協力も得て,200トンSWU/年規模の原型プラントを建設することとしており,現在,昭和58年度着工をめざして諸手続を進めている。
 遠心分離法によるウラン濃縮技術の開発スケジュールを次表に示す。

 一方,遠心分離法以外のウラン濃縮技術の研究開発については,民間企業において化学法ウラン濃縮技術の試験研究及びシステム開発調査が進められており,これに対し科学技術庁及び通商産業省により助成措置が講じられている。また,レーザー法によるウラン濃縮の研究が,日本原子力研究所及び理化学研究所において進められている。


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