第2章 原子力発電
1 原子力発電開発の状況

 我が国の営業運転中の商業用原子力発電設備は,昭和57年4月に東京電力(株)福島第二原子力発電所1号機(電気出力:110万キロワット)が新たに運転を開始したことにより,合計24基,総電気出力1,717万7千キロワットに達し,昭和57年度末における総発電設備容量の12.3%を占めるに至った。
 電気事業者の発電実績において,原子力発電による発電電力量は,昭和57年度は1,018億キロワット時であり,総発電電力量の19.5%に達し,石油代替電源の中で最も大きな割合を占めている。また,昭和57年度における我が国の一次エネルギー供給に占める原子力の割合は6.7%である。
 国際的にみても,我が国は,米国,フランス,ソ連に次ぐ世界第4位の原子力発電規模を有する国となっている。
 建設中の商業用原子力発電設備は,昭和57年6月に中部電力(株)浜岡原子力発電所3号機(電気出力:110万キロワット)及び昭和58年8月に東京電力(株)柏崎・刈羽原子力発電所2号機・5号機(電気出力:2基とも110万キロワット)の工事計画が認可されたことにより,合計13基,総電気出力1,290万4千キロワットとなった。
 建設準備中の商業用原子力発電設備は,昭和57年9月に九州電力(株)玄海原子力発電所3号機・4号機(電気出力:2基とも118万キロワット)及び昭和58年3月に四国電力(株)伊方発電所3号機(電気出力:89万キロワット)の計画が新たに加わったことにより,合計7基,総電気出力605万3千キロワットとなった。
 これら運転中,建設中及び建設準備中のものは,昭和58年8月末現在,合計44基,総電気出力3,613万4千キロワットとなっている。

 なお,研究開発段階の原子力発電所については,動力炉・核燃料開発事業団の新型転換炉原型炉「ふげん」(電気出力:16万5千キロワット)が,昭和54年3月以来運転中であり,また,同事業団の高速増殖原型炉「もんじゅ」(電気出力:28万キロワット)が,昭和58年5月に設置許可がなされ,現在,建設準備中である。


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