4.その他

(3)原子力船「むつ」の新定係港建設及び大湊港への入港等に関する協定書

 科学技術庁長官中川一郎(以下「甲」という。),日本原子力船研究開発事業団理事長井上啓次郎(以下「乙」という。),青森県知事北村正哉(以下「丙」という。),むつ市長菊池漠治(以下「丁」という。)及び青森県漁業協同組合連合会会長理事植村正治(以下「戊」という。)は,昭和49年10月14日締結した「原子力船「むつ」の定係港入港及び定係港の撤去に関する合意協定書」及び昭和56年5月24日合意した「共同声明」の主旨に基づき,原子力船「むつ」(以下「むつ」という。)の新定係港建設及び大湊港への入港等に関し,下記のとおり合意する。
 記
1 甲及び乙は,むつ市関根浜地区に「むつ」の新定係港を速やかに建設するものとし,丙,丁及び戊は,これに協力するものとする。なお,甲及び乙は,新定係港の建設にあたっては地元住民の意向を尊重しつつ進めるとともに,安全確保及び環境の保全に十分配慮するものとする。
2 乙は,「むつ」を昭和57年9月6日以降,原子炉が凍結された状態で大湊港の定係港に入港させるものとする。
3 乙は,新定係港の供用開始をまって「むつ」を新定係港に回航させるものとし,その間,原子炉が凍結された状態で大湊港の定係港に停泊させるものとするが,「むつ」の補助ボイラーによる航行を妨げるものではない。
4 乙は,「むつ」の大湊港の定係港停泊の間,甲,乙,丙,丁及び戊の協議において,丙,丁及び戊が同意しない限り,原子炉が凍結された状態の変更を行わないものとする。
5 甲及び乙は,新定係港の完成をまって大湊港の定係港を撤去するものとする。
6 乙は,「むつ」及び大湊港の定係港に係る安全確保及び環境の保全に十分配慮するものとする。
7 甲及び乙は,「むつ」に係る風評による魚価安定対策の充実を図るものとする。
8 甲,丙,丁及び戊は,昭和49年10月14日締結した「原子力船『むつ』の定係港入港及び定係港の撤去に関する合意協定書」を廃止するものとする。
9 この協定書の実施に関し,疑義を生じたときは,甲,乙,丙,丁及び戊が協議して決めるものとする。
 この協定書の締結を証するため,本書5通を作成し,甲,乙,丙,丁及び戊において記名押印のうえ,各自その1通を保有する。
 昭和57年8月30日

 甲  国 務 大 臣
    科学技術庁長官    中川 一郎
 乙  日本原子力船研究
    開発事業団理事長   井上 啓次郎
 丙  青 森 県 知 事    北村 正哉
 丁  む つ 市 長    菊池 渙治
 戊  青森県漁業協同組
    合連合会会長理事   植村 正治


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