１　原子力発電関連機器産業

　原子力発電関連機器産業は,原子炉関連設備,原子力用発電機器等を供給する産業であり,現在我が国においては主に5グループに分かれている。これらの各グループは,その幹事会社が中心となり,軽水炉に関し海外の大手原子力機器供給企業(GE,WH等)と技術提携を行い,これに基づく技術導入により国内の原子力発電所の建設を進めてきている。
　しかしながら,最近の原子力発電プラントでは,機器の国産化率は100%近くなっており,またメインコントラクターとしての建設経験も,建設中のものを含めれば25基と,海外の大手企業には及ばないものの着実に経験を積み重ねつつあり,我が国の原子力産業は,導入技術の消化吸収を一応達成しているものと考えられる。また,現在自主技術による日本型軽水炉の確立を目指して進められている軽水炉の改良標準化計画の進展により,プラント全体の改善を行い得る設計能力等の向上も期待される。さらに,海外の企業と協力して改良型軽水炉(APWR,ABWR)の開発調査も進められている。

　一方,原子力発電関連機器産業の製造能力は,現在年間600万キロワット程度と言われており,今後の我が国の原子力発電規模の拡大に十分に対応できるものと考えられる。

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