第6章 核融合及び原子力船の研究開発
(参考)諸外国の動向

(2)原子力船

i ソ連は,昭和34年に世界最初の平和目的の原子力船である原子力砕氷船レーニン号を完成し,その運航によって原子力砕氷船の有用性を実証した。その後,昭和49年にアルクチカ号,昭和52年にシベリア号を完成し,それぞれ就航させており,これら3隻の原子力砕氷船は,現在も北極海において活躍中である。また,現在原子力砕氷船ロシア号及び原子力ラッシュ船を建造中である。
ii 米国及び西ドイツは,それぞれ実験的な目的で原子力貨客船サバンナ号(昭和37年完成,昭和45年まで運航)及び原子力鉱石運搬船オット・ハーン号(昭和43年完成,昭和54年まで運航)を建造し,それぞれ約10年間にわたって運航することにより原子力商船の技術的可能性を確認した。
 さらに,米国及び西ドイツは,これらの実験船の運航経験を踏まえて,より改良された舶用炉の開発を進めており,現在は,設計をほぼ固めた段階にまで達している。
iii フランスにおいても,原子力軍艦の運航経験を踏まえて商船用舶用炉の開発が進められており,現在は,米国及び西ドイツと同様,設計をほぼ固めた段階にある。
iv カナダでは,沿岸警備隊が,原子力砕氷船の建造について検討を進めている。


目次へ          第7章 第1節へ