第5章 核燃料サイクル
(参考)諸外国の動向

(1)ウラン濃縮

i 米国
 米国のウラン濃縮工場は,米国エネルギー省(DOE)が所管し,現在ガス拡散法による3工場がオークリッジ,ポーツマス,パデューカにおいて運転されている。その濃縮規模は合計で27,000トンSWU/年となっており,昭和58年までに27,300トンSWU/年に拡張される予定である。
 更に,今後の濃縮役務需要増に対処するためポーツマスに遠心分離法による濃縮工場(2,200トンSWU/年)が建設されており,昭和64年に運転開始する予定となっている。その後,需要に応じプラントモジュールを追加し,13,200トンSWU/年に増大する計画である。

ii フランス
 フランスではユーロディフ計画(仏,伊,スペイン,ベルギー,イランの共同濃縮事業)に基づき,ガス拡散法による工場がトリカスタンにおいて運転されており,その濃縮規模は10,800トンSUW/年となっている。
 また,ユーロディフ計画に次ぐものとしてコレディフ計画(仏,イラン,ユーロディフの共同濃縮事業)が進められている。

iii 英国
 英国のウラン濃縮工場は,英国核燃料公社(BNFL)が所管し,現在ガス拡散法による工場と遠心分離法による工場の2工場がカーペンハーストにおいて運転されている。
 ガス拡散法による工場は約400トンSWU/年の濃縮規模である。遠心分離法による工場はウレンコ計画(英,西独,オランダ共同濃縮事業)に基づくもので昭和57年より約300トンSWU/年の濃縮規模となっており,更に昭和58年までに約400トンSWU/年に拡張される予定である。

iv 西独
 西独は現在ウレンコ計画に基づき,グロナウに遠心分離法による濃縮工場の建設を行っており,昭和60年に部分運転を開始し,昭和61年から400トンSWU/年の濃縮規模となる予定である。


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