第5章 核燃料サイクル

6 放射性廃棄物の処理処分対策

 原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会は,放射性廃棄物対策の具体的な推進方策について調査審議を行い,昭和55年12月には「高レベル放射性廃棄物処理処分に関する研究開発の推進について」,昭和57年6月には「低レベル放射性廃棄物対策について」をとりまとめ,原子力委員会に報告した。これらの検討結果は,新しい長期計画に取り入れられており,その主な内容は,第1章第1節(6)に述べたとおりである。
 さらに,「低レベル放射性廃棄物対策について」においては,このほか,超ウラン元素を含むいわゆるTRU廃棄物(TRU:Trans-Uranium,超ウラン)について,半減期の長い放射性核種を含むなどの特性があることから,高レベル放射性廃棄物に関する研究開発の成果をも参考としつつ,その処理処分に関する研究開発を進めることとしている。さらに,極低レベル放射性廃棄物の放射能レベルに応じた合理的な取扱いの推進,小規模核燃料使用施設等からの低レベル放射性廃棄物の共同処理の推進,本格的な処分の実施等に適切に対応していくため,技術的な検討を進めるとともに,基準の整備並びに具体的な実施体制の確立及びそれに対応した所要の法令整備について検討を進めることとしている。


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