第4章 新型炉の開発
2 高速増殖炉

(2)原型炉の建設準備

 原型炉「もんじゅ」は,その設計・建設・運転の経験を通じて,発電プラントとしての高速増殖炉の性能,信頼性を技術的に確認することを目的としている。
 現在,原型炉「もんじゅ」については,福井県敦賀市白木地区を立地地点とし,昭和65年頃の臨界を目指してその準備が行われているところである。昭和53年8月から国による環境審査が,昭和54年2月から福井県による自然公園法に係る審査が開始され,昭和57年5月に至り地元福井県知事の建設同意が得られた。これに伴い,政府においては,「もんじゅ」の立地地点を福井県白木地区とすることを含む建設推進についての閣議了解がなされ,上記審査もそれぞれ昭和57年5月及び6月に終了した。
 また,原子炉の設置に係る安全審査が昭和55年12月から開始されており,昭和57年5月には行政庁による安全審査が終了し,原子力安全委員会による安全審査へと進んでいる。これに伴い昭和57年7月には第2次公開ヒアリングが敦賀市において開催された。
 今後は,高速増殖炉の開発の重要性に鑑み,原型炉「もんじゅ」の建設に早期に着手することとしている。


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