第4章 新型炉の開発
2 高速増殖炉

(1)実験炉の運転

 実験炉「常陽」は,我が国初のナトリウム冷却型高速増殖炉であり,その設計・建設・運転を通じて高速増殖炉に関する技術的経験を蓄積するとともに,燃料・材料の照射用施設として利用することを目的としている。
 高速増殖炉の実験炉「常陽」は,昭和52年4月の初臨界以来順調な運転を続け,原型炉の開発に必要な技術データや運転経験を着実に蓄積してきている。
 昭和55年1月から開始された熱出力7.5万キロワット定格出力による運転は燃料最高燃焼度41,000MWD/tの達成をはじめ所期の目的が達せられ,昭和56年12月終了した。
 引き続いて,昭和57年1月からは,燃料・材料の照射用施設として利用するため,照射用炉心への改造が行われており,昭和57年秋には臨界に達し,昭和57年度内には熱出力10万キロワットに至らせることとしている。


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