第4章 新型炉の開発

1 新型転換炉

 新型転換炉は,我が国がプルトニウムの本格的利用を目指して開発を進めている自主開発炉であり,原型炉「ふげん」(16万5千キロワット)の設計・建設・運転により実用化に向けての技術的見通しが得られてきており,昭和57年6月決定の原子力開発利用長期計画においても「今後はこの経験を踏まえ,大容量化に伴う技術の実証及び経済性の見通しの確立を図るため1990年代初め頃の運開を目標に,電気出力60万キロワット程度の実証炉を建設するものとし,早急にその具体化を図ることとする。」とされている。
 原子力委員会は,その後の関係者の協議に基づき,昭和57年8月27日新型転換炉の実証炉計画推進のための基本方針を次の通り決定した。
1. 実証炉の建設・運転は,電気事業者及び動力炉・核燃料開発事業団の協力を得て電源開発株式会社が行う。
2. 実証炉に必要な研究開発及びプルトニウム―ウラン混合酸化物燃料の加工は,動力炉・核燃料開発事業団が行う。
3. 実証炉の発電原価については,極力その低減を図ることとし,官民協力して所要の措置を講じる。


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