第2章 原子力発電
3 原子力発電所の立地関連状況

(1)原子力発電に関する国民の意識

 総理府が昭和56年11月に行った「省エネルギーに関する世論調査」では,原子力発電に関し次のような結果が出ている。
 将来における主力発電については,「原子力」とするものが50%と調査毎に増加し(55年2月33%,55年11月47%),原子力の実用性,有効性についての認識の高まりが見られる。
 一方,原子力に対する不安感については,原子力発電に対し不安感を持っている人が59%と前年の56%に比べ増加し,不安の内容も,「放射線(能)が出ることについて」,「万一の故障や事故について」及び「原子炉やその他の施設の安全性について」が主なものとなっている。
 また,安全対策については,「十分行われている」が27%と前回の52%に比べ半減し,「そうは思わない」が45%と前回に比べ倍増している。
 これは,昭和56年4月に明らかとなった敦賀発電所における事故が,国民に安全対策が不十分であるというイメージをもたらし,原子力発電に対する不安感の増大につながったものと思われ,今後とも原子力発電所の安全運転の実績を積みあげていくとともに,原子力発電の安全性について国民の理解を得る努力を続けることが重要である。


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