第II部 原子力研究開発利用の動向
第8章 原子力産業

3 RI・放射線機器産業

 RI・放射線機器産業については,RIを始めとして医療用の電子リニアック等の放射線照射装置,サイクロトロン等粒子加速器のように放射線源に関連する機器とこれらより放射される放射線を研究開発,安全の確保,医療の実施等のために計測する放射線検出器,放射線分析用機器,放射線モニタ,核医学機器などの放射線計測器とがある。
 放射線利用については,既に第6章で概説したように,農林水産業における品種改良,食品照射,生物の生理生態研究,工業における工程の管理解析,非破壊検査,医学における診断・治療のように各産業における広範な分野で利用が進められており,特に近年はその利用形態も多様化高度化してきている。

 この結果,事業所数でみても民間企業における進展が著しく,放射線利用が一段と各産業に浸透しているものと考えられる。
 このような放射線利用の進展に伴い,各種放射線源に関連する機器及び放射線計測器の需要も増大しており,また,原子力発電における安全確保のための放射線計測器も重要なものとなっており,このような広範な種類の要請に適確に応えていくことがRI・放射線機器産業にとって必要となっている。


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