第9章 基礎研究等

3 理化学研究所における基礎研究

 理化学研究所は,原子力に関する研究をとり上げ強力に推進してきた。
 まず,核融合に関する研究では,分光によるプラズマ測定法,水素イオンの金属面衝撃効果等の研究を行った。
 160 cmサイクロトロンによる総合研究では,原子核物理学,核化学,放射線生物学等幅広い分野の研究を総合的に推進した。
 また,ウランに至る重い元素を加速することができる重イオン科学用線型加速器が完成したため,昭和55年度より重イオン衝突素過程の研究,重イオンと物質の相互作用の研究及び重イオン照射による応用研究を実施している。
 食品の放射線照射及び放射線の細胞生物学的効果については,放射線抵抗性菌の研究,放射線増感機構の研究,蛋白質の照射変性に関する研究を行った。
 また,環境放射線解析に関する基礎研究では,γ線スペクトロメーターによる測定と情報解析,環境における中性子成分の情報解析及びデーター解析を行った。
 研究施設については,重イオン科学用加速器の後段加速器であるリングサイクロトロンの建設を昭和55年度より進めている。


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