第6章 新型炉の開発
2 高速増殖炉

(2)原型炉の建設準備

 原型炉「もんじゅ」は,その設計,建設,運転の経験を通じて,発電プラントとしての高速増殖炉の性能,信頼性等を確認し,更に,将来の発電炉の主流となるものとして実用炉の段階における経済性の目安を得ることを目的としている。
 原型炉「もんじゅ」の設計については,昭和43年度に予備設計を行い,更に,昭和44〜47年度に第1次〜第3次設計を行った。昭和48年度以降はその後の研究開発の成果等を反映させるための調整設計を,また,その後昭和52年度からは製作準備設計を実施している。これらの設計作業の取りまとめに当たっては国内4メーカーの共同により設立されたFBRエンジニアリング会社が当たっている。
 また,昭和55年度には,電源開発促進対策特別会計電源多様化勘定において原型炉「もんじゅ」の建設費が計上され,民間企業等からの資金についても,建設費の20%に相当する800億円の拠出が確保されることとなった。更に建設に当たっては,9電力,日本原子力発電(株),電源開発(株)など民間企業等による協力体制が整備された。
 また,建設準備に関しては,立地について最終的解決には至っていないが,昭和55年9月に,福井県による環境審査が終了した。一方,国においては,昭和55年7月に科学技術庁及び通商産業省による環境審査がそれぞれ終了し,現在は関係省庁との調整が図られつつあり,これと並行して次のステップである安全審査のための準備が進められている。


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