第6章 新型炉の開発
2 高速増殖炉

(1)実験炉の建設,運転

 実験炉「常陽」は,我が国初のナトリウム冷却型高速増殖炉であり,その設計,建設,運転を通じて高速増殖炉に関する技術的経験を蓄積するとともに,将来は,燃料,材料等の照射施設として利用することを目的としている。
 実験炉「常陽」については,昭和45年2月,原子炉等規制法に基づく設置が許可され,茨城県の動力炉・核燃料開発事業団大洗工学センターにおいて建設を進めてきた。昭和49年末には,機器据付けを完了し,昭和52年2月総合機能試験を終了し,昭和52年4月,初臨界を達成した。その後,低出力での炉物理特性を中心にした実験を終了した後出力を上昇し,昭和53年7月第1期目標熱出力5万キロワットを達成,10月から昭和54年2月まで5万キロワット定格運転を行った。更に昭和54年7月第2期目標熱出力7.5万キロワットに達し,各種性能試験を実施した。昭和55年2月には,7.5万キロワットの使用前検査及び定期検査に合格し,7.5万キロワットの定格運転を開始した。


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