第6章 新型炉の開発
1 新型転換炉

(2)研究開発

 新型転換炉の研究開発は,原型炉「ふげん」の順調な運転の確保及び実証炉の設計研究に主眼をおいて進めた。
 原型炉関係では「ふげん」の運転実績等による運転コードの整備,運転保守,補修,検査の各機器等に関する開発を進め,また実証炉の開発では,調整設計及び設計に必要な実証試験を進めた。
① 設計研究
 構造設計研究,設計コードの改良を行うとともに,実証炉については調整設計を進めた。
② 炉物理
 動力炉・核燃料開発事業団大洗工学センター重水臨界実験装置(DCA)を用いて,原型炉の運転のための炉物理実験を行うとともに,実証炉炉心の核的性能の評価に必要な炉物理実験を進めた。
③ 伝熱流動
 動力炉・核燃料開発事業団大洗工学センターの大型熱ループ(HTL)を用いて原型炉運転のため伝熱流動試験を行うとともに実証炉の熱的性能の評価に必要な伝熱流動研究を進めた。

④ 主要機器,部品
 原型炉の運転のために圧力管モニタリング装置,運転保守設備の試作開発を行っているほか,動力炉・核燃料開発事業団大洗工学センターのコンポーネント・テストループ(CTL)における圧力管,燃料集合体,シールプラグ等の耐久試験を継続して実施した。また,昭和55年度から実証炉の計測制御技術の開発,圧力管及び圧力管集合体試作開発等を進めている。
⑤ 燃料,材料
 燃料の照射試験を日本原子力研究所の材料試験炉(JMTR)で引き続き実施し,さらに「ふげん」の使用済燃料の照射後試験の準備を進めた。
 また実機特殊燃料集合体の製作,圧力管材料の照射後試験等をBNWL等で実施した。また,昭和55年度から実証炉の標準燃料集合体等試作開発を進めている。
⑥ 安全性
 動力炉・核燃料開発事業団大洗工学センターの安全性試験施設において,入口管破断試験,再冠水試験及び破断検出法の試験を実施したほか,安全解析コードの改良整備,供用期間中検査装置の試作開発,トリチウム除去試験等を進めた。


目次へ          第6章 第2節へ