第3章 核燃料サイクル
3 核燃料加工

 軽水炉用の核燃料加工は,濃縮されたウラン(UF6)を粉末状(UO2)にする「再転換」とこれをペレット状に加工し,被覆管の中に収納して燃料集合体とする「成型」の工程がある。我が国ではこの部門の事業化が進み4つの会社が携わっている。
 「再転換」加工のうち,加圧水型炉燃料用のウランの加工については,全て国内で行われている。また,沸騰水型炉燃料用のものについては一部を海外に委託しているが,将来は全てを国内で行うべく遂次能力の増強を計画している。
 「成型」加工では,加圧水型,沸騰水型ともに全量が国内で加工されているが,燃料需要の増大が見込まれるため,増強計画が検討されている。
 なお,ジルカロイ被覆管の製造については,ほぼ国産化が達成された。
 また,軽水炉用以外の核燃料加工については,新型転換炉「ふげん」及び高速増殖炉「常陽」,「もんじゅ」用のウラン,プルトニウム混合酸化物燃料の加工技術について工程の自動化,遠隔操作化,品質管理等の技術開発が,動力炉・核燃料開発事業団において進められている。
 核燃料物質の加工を行う者に対しては,原子炉等規制法に基づき安全性を重視した規制が行われている。昭和54年度においては,加工事業の変更の許可5件,保安規定の認可1件,保安規定の変更の認可3件,施設検査11件がそれぞれ行われた。なお,昭和54年度末現在,5事業所が加工事業の許可を受けている。
 動力炉・核燃料開発事業団におけるプルトニウム燃料加工の技術開発施設のように核燃料物質を使用する事業所については,原子炉等規制法上,使用事業所として安全規制が行われている。昭和54年度においては,新規の使用許可9件,使用の変更の認可68件,保安規定の変更の認可6件,施設検査40件がそれぞれ行われた。なお,昭和54年度中に使用の廃止が5件あったため,許可を受けている使用事業所は157となった。


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