(財)原子力工学試験センターでは,5件の実証試験が実施されている。
原子力発電施設耐震信頼性実証試験は,原子炉格納容器,一次冷却設備等の重要な大型設備について実物ないし実物に近い大きさの試験体を大型高性能振動台による振動試験を行い耐震安全性信頼性を実証するものであり,昭和56年度完成を目指して昭和51年度から振動台の建設を行っている。
バルブ信頼性実証試験は原子力発電設備で用いられている重要なバルブ約70種について,実機と同等或いはそれ以上の苛酷な運転状態で試験を行い,その安全性・信頼性を実証するものであり,昭和53年度に試験設備の製作を完了し,昭和54年度から試験に入っている。
燃料集合体信頼性実証試験は,実炉で照射される燃料集合体の製作段階,照射段階,照射後試験段階にわたる一貫したデータと炉外ループを用いた最大熱負荷試験により燃料集合体の信頼性を実証するものであり,昭和55年度はBWRの照射中試験,照射後試験及びBWRの照射中試験,並びにBWRの最大熱負荷試験装置の製作を行っている。溶熱部等熱影響部信頼性実証試験は,BWR型発電設備の配管等及びPWR型発電設備の炉内構造物の一部に発生した応力腐食割れについて,その発生原因の確認対策方法の有効性等の実証を行うとともに供用期間中検査方法の妥当性を実証するものであり,昭和55年度は応力腐食割れの試験及び供用期間中検査の試験装置の製作等を行っている。
ポンプ信頼性実証試験は,BWRの再循環ポンプ及びPWRの一次冷却材ポンプについて実機と同等或いはそれ以上の苛酷な運転状態で試験を行い安全性・信頼性を実証するものであり,昭和55年度は試験装置の製作及び試験体の製作を行っている。
更に,日本原子力研究所では,4件の実証試験が実施されている。格納容器スプレイ効果実証試験は,事故時格納容器内に放出されるヨウ素を除去するための格納容器スプレイ装置の効果を実証するため,昭和52年度より,熱除去効果試験,ヨウ素除去効果試験を実施している。配管信頼性実証試験については,昭和50年度より試験装置の整備を開始し,昭和52年度より,配管のき裂伝播挙動を調べるための配管疲労試験及び万一配管が破断した場合のジェット力パイプホイップ現象等を調べるための配管破断試験を継続中である。大型再冠水効果実証試験は,PWR百万kW級実規模の約1/5大型円筒炉心を用いて,LOCA時に作動する緊急炉心冷却系による炉心冷却効果を実証するため,昭和53年度末より試験を実施中である。また二次元的な炉心冷却効果等を調べるための平板炉心再冠水試験装置については昭和53年度より装置を製作中である。格納容器圧力抑制系信頼性実証試験はBWRMARK―II型格納容器の約1/18セクターモデル格納容器を用い,LOCA時に発生する熱水力現象を調べ格納容器圧力抑制系の信頼性を実証するもので,昭和53年度より,プールスウエル試験,蒸気凝縮試験を実施している。
(財)発電用熱機関協会では,蒸気発生器信頼性実証試験を行っている。蒸気発生器信頼性実証試験は,PWR型発電設備の蒸気発生器の一部細管に発生したピンホール等についてその発生原因の確認,対策方法の有効性等の実証を行うものであり,昭和54年度はこれまでに行った試験の総合評価を行っている。
(財)電力中央研究所では,使用済燃料輸送容器信頼性実証試験を行っている。使用済燃料輸送容器信頼性実証試験については,昭和54年度は昭和53年度に引き続き,試験に必要な施設の建設及び試験用容器の製作を進めるとともに落下衝撃試験の一部を実施した。
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