第1章 原子力発電

9 原子力施設のデコミッショニング

 耐用年数の過ぎた原子力施設のデコミッショニング(運転廃止後の措置)については,日本原子力研究所において従来から研究炉及び臨界実験装置等の解体を通じてその合理的な実施方法の調査研究を進めてきており,昭和55年度は原子炉プラント内の汚染の分布状況の調査及び内蔵放射能量の調査等を行っている。
 原子力委員会は,昭和53年度及び54年度に日本原子力研究所に委託し,各界の専門家の参加を得て,原子力施設のデコミッショニングのケーススタディ,欧米主要国のデコミッショニング実施状況等の調査,主要な技術的諸問題の整理等を行っており,昭和55年11月28日には廃炉対策の基本的事項等について審議するため,廃炉対策専門部会を設置したところである。
 一方,通商産業省においては,学識経験者等による廃炉調査委員会を設けて,サイトの有効利用を図りつつ,商業炉の廃炉の円滑な実施を行うとの観点から廃炉の手順,技術方式,経済性,技術基準等の検討を進めるとともに,(財)エネルギー総合工学研究所に委託し,廃炉対策に関する所要の調査を実施している。


目次へ          第1章 (参考)へ