第II部 原子力研究開発利用の動向
第1章 原子力発電

1 原子力発電の動向

 我が国最初の商業用原子力発電所である日本原子力発電(株)の東海発電所が昭和41年7月に運転を開始してから既に14年が経過した。この間における商業用原子力発電所の発電所設備容量の推移は,図に示すとおりである。

 昭和54年12月には関西電力(株)の大飯発電所2号炉が新たに営業運転を開始したことにより,我が国で営業運転中の商業用発電炉は計21基,総電気出力1,495万2千キロワットに達し,世界的にも米国に次ぐ規模になっている。
 この結果,昭和55年11月現在の原子力発電設備容量は総発電設備容量の約12%を占め,また,昭和54年度の総発電電力量の約13.3%を占めるに至っている。また,建設中の商業用発電炉は計11基,総電気出力977万9千キロワットであり,昭和55年には関西電力(株)高浜発電所3号炉及び4号炉ならびに東京電力(株)福島第二原子力発電所3号炉及び4号炉の計4基について,8月に原子炉設置許可が,11月に工事計画が認可されたが,これらは昭和54年1月以降の新しい原子力規制体制の下で米国スリー・マイル・アイランド(TMI)原子力発電所事故の教訓を踏まえて審査されたものである。
 昭和55年11月現在,設置許可申請中の商業用発電炉は3基,総電気出力315万キロワットであり,運転中,建設中及び建設準備中の原子力発電規模の合計は,35基2,788万1千キロワットとなっている。
 我が国の将来の原子力発電規模については,昭和55年11月28日の閣議において,石油代替エネルギーの供給目標として,昭和65年度において,原子力発電により,2,920億キロワット時,原油換算7,590万キロリットルとすることが決定され,この目標を達成するために必要な設備容量は,5,100〜5,300万キロワットと見込まれている。


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